明治聖徳記念学会紀要 復刊第50号
―特集Ⅰ 神社の造営と祭祀―伊勢と出雲を中心に―
特集Ⅱ 昭憲皇太后崩御百年―皇太后と女子教育・社会福祉・洋装文化―
著者 | 明治聖徳記念学会編 | |
定価 | 2200円(10%税込) | |
本体 | 2000円(税別) | |
判型 | A5判 | |
体裁 | 並製本・函入 | |
発行日 | 平成25年11月3日 | |
ISBN | 9784764606500 | |
ページ数 | 752頁 |
「神社の造営と祭祀」 と「昭憲皇太后崩御百年」の2つの特集を中心に第一線の研究者の論稿を多数収録した貴重な一冊。
一体何故にこのような社殿を造営し、そこに神を祀るようになったのか。出雲大社では「大遷宮」、伊勢の神宮では「式年遷宮」がそれぞれ斎行され、神社や神道についての本格的な関心がより一層昂まる今、改めて考える。神社の造営と神社祭祀との関係に関する本格的かつ総合的な論稿を多数収録。また、明年は昭憲皇太后の崩御から百年という節目の年を迎える。昭憲皇太后の「坤徳」の御事蹟を示す女子教育、社会福祉など様々な分野における御活動について、第一線の研究者が考察を加えた力作を数多く掲載。
この他にも、各種の論文や研究ノート、公開シンポジウムの記録、資料紹介、随想など、盛沢山の内容を掲載。
目次
【巻頭言】明治の精神〔鎌田純一〕
【論文】
Ⅰ
式年遷宮と「永遠」の観念―西洋哲學との對比の下に―〔小堀桂一郎〕
伊勢神宮と持統天皇―遷宮についての伝承分析学(日本民俗学)からの一小論―〔新谷尚紀〕
大宮司大中臣精長の時代と遷宮―近世前期の神宮における古儀復興の精神―〔音羽悟〕
近代の神宮式年遷宮〔中西正幸〕
神宮式年遷宮の建築的意義について〔黒田龍二〕
中・近世の神宮式年遷宮における建築工匠の活動形態について〔浜島一成〕
神宝の成立―組成の意味と背景―〔笹生衛〕
古代の社殿作りと神宝奉献の意義―奈良時代末期から平安時代前期を射程として―〔加瀬直弥〕
近代の伊勢参宮と宇治山田の旅館業〔谷口裕信〕
明治維新前後の神宮神職家のイエ儀礼〔濱千代早由美〕
幕末の出雲大社における朝廷守護の思想―富永芳久『寶剣攻證』をめぐつて―〔中澤伸弘〕
明治神宮・日本近代を象徴する空間―独自性と普遍性の共存―〔藤岡洋保〕
Ⅱ
「昭憲皇太后実録」の編修について〔堀口修〕
宮中の西欧化と昭憲皇太后〔小田部雄次〕
昭憲皇太后の教育奨励に関する再検討〔真辺美佐〕
昭憲皇太后が東京女子高等師範学校に遺したもの〔奥田環〕
宮中出仕後の税所敦子―明治天皇・昭憲皇太后との関連に着目して―〔長福香菜〕
実践躬行―下田歌子 女子教育への道―〔大関啓子〕
下田歌子の宮中出仕と〝歌子〟名下賜前後の考察〔小林修〕
昭憲皇太后の事績と今日的意義―昭憲皇太后基金を中心に―〔吹浦忠正〕
明治期の赤十字看護教育〔吉川龍子〕
昭憲皇太后と洋装〔植木淑子〕
明治宮廷奥向攷―賜りの人形を通して―〔宍戸忠男〕
Ⅲ
堀秀成と宣教使〔小林威朗〕
貞明皇后への御進講における筧克彦の神道論―「神ながらの道」の理解と先行研究における問題点の指摘―〔中道豪一〕
「皇族ノ降下ニ関スル施行準則」について〔阿部寛〕
【シンポジウム】
神社の造営と祭祀―伊勢と出雲―〔櫻井治男・中西正幸・西岡和彦・加瀬直弥・錦田剛志・茂木貞純〕
【講演】
若き日の明治天皇 ―人君の学としての論語―〔坂本一登〕
第六十二囘式年遷宮を迎へて〔小堀桂一郎〕
【研究ノート】
遷宮神宝使をめぐって〔藤森馨〕
神宮教の教説に関する一考察―藤井稜威の著作を中心に―〔武田幸也〕
昭憲皇太后と津田梅子―華族女学校での接点を中心に―〔高橋裕子〕
明治期における皇室の福祉事業―日本赤十字社の災害救助との関わりから―〔宮城洋一郎〕
【資料】
神宮遷宮「常若」論抄〔牟禮仁〕
【随想】
地域神社で行われる造替遷宮〔櫻井治男〕
遷宮の御用材を育てる神宮宮域林―御杣山の復活を目指して―〔金田憲明〕
御装束神宝の調製〔釆野武朗〕
神宮式年遷宮の我国の伝統文化の原点としての意義―ブルーノ・タウトの視点からの考察―〔中村光彦〕
昭憲皇太后と華族女学校〔米窪明美〕
税所敦子の歌の淵源〔佐伯裕子〕
【翻刻】
繫暉日記(香川敬三著)〔高野裕基〕
【あとがき】〔阪本是丸〕