中国海軍と近代日中関係
著者 | 馮青著 | |
定価 | 3740円(10%税込) | |
本体 | 3400円(税別) | |
判型 | A5判 | |
体裁 | 上製本・カバー装 | |
発行日 | 平成23年11月21日 | |
ISBN | 9784764603349 | |
ページ数 | 264頁 |
日中関係史の中で中国海軍の発展と諸問題を客観的・実証的に考察する
本書は、一八七〇~一九三〇年代における近代中国海軍の創設と拡大、消滅と再建の過程を日本との関わりを軸に、さらに日米中関係を含む国際関係の背景の下に歴史的・実証的に検討を行う。近代の海軍は海岸線防衛という軍事的な役割のほか、警察(沿岸地域の治安維持)、経済(在外居留民、漁業保護等)、対外政策(艦隊海外訪問、出兵、対外関与等)の面でも役割をも果たしていた。本書はとりわけ対外面から検討し、日清戦争後の中国海軍再建と日本モデルの導入をめぐって展開した新たな日中関係の一面を提示した。
近代中国海軍が最初に仮想敵国としたのは日本であり、二度にわたり戦い、壊滅の結果をもたらしたのも日本である。中国海軍の歴史を語るときに日本との関係を無視することはできない。近代日中関係において中国海軍が果たした役割は何か、海軍という視角からどのような新たな近代日中関係史・東アジア国際関係史像を描くことができるか、という観点から日中のみならず諸外国の史料をも駆使し、実証的かつ客観的に考察する。
目次
序章第一章 北洋海軍と日本―その日本訪問を中心に―
第二章 日清戦争後の海軍再建
第三章 清末の海軍視察と日本の対応(1910年)
第四章 海軍再建の進展と日本モデル導入の試み
第五章 1910、20年代中国海軍の困難と日米―ベツレヘム契約をめぐって─
第六章 日本留学と東北海軍の発展―満洲事変まで―
終章:結 論
史料・文献一覧
日中海軍関係略年表
索引
詳細目次(PDF)
著者略歴
馮青(ふう せい)2001年 聖心女子大学大学院史学専攻修士課程修了
日本女子大学大学院博士課程
(台北)中央研究院・(米国)スタンフォード大学客員研究員を経て
2009年 博士(政治学)中央大学
現 在 明治大学、玉川大学非常勤講師
専 攻 中国近現代史、日中関係史
著作
『中国近代海軍与日本』(単著、吉林大学出版社、2008年)
『近代中国、東亜与世界』(共著、社会科学院文献出版社、2008年)
『近代中国:政治与外交』(共著、社会科学院文献出版社、2010年)
『国際文化論』(平野健一郎著、共訳、中国大百科全書出版社、2011年)など