日本の史眼
―顕と幽との相関相即―
著者 | 森田康之助著 | |
定価 | 3300円(10%税込) | |
本体 | 3000円(税別) | |
判型 | 四六判 | |
体裁 | 上製本・カバー装 | |
発行日 | 平成13年4月29日 | |
ISBN | 9784764602564 | |
ページ数 | 273頁 |
現実世界の論理と心理
本書は、国史の「深層」と「真相」を明らかにした「歴史哲学の書」である!芭蕉の句に、 「橘や いつの野中の ほととぎす」がある。この句、橘の花を見ているのか、はたまた、その花の香りを嗅いでいるのか、野中でほととぎすの啼くのを耳にしてゐる時、かつて同じ花を見、同じ香りを嗅いだことがあるといふことを想ひ起こしてゐるのである。そのとき想起されるかつての情景はといへば、その場にはなくとも、想起するその人の上にあつては、眼前に彷仏し去来するものがあるのである。このことを幽は顕としてそこに在ることのやうにいつてよいのである。九鬼周造は・・・(「まへがき」より)
目次
顕と幽との接点幽と顕との現象学
幽顕の相即相関の哲学
幽顕の相即相関の哲学(承前)
わが国民文化深層の風姿
神仏体験の論理学-自己が自己となるといふこと-
精神史の哲学
神よみがへる
”もののあはれをしる”といふこと
精神史研究法の反省