吉田松陰と水戸
著者 | 仲田昭一 著 | |
定価 | 3740円(10%税込) | |
本体 | 3400円(税別) | |
判型 | B6判 | |
体裁 | 上製本・カバー装 | |
発行日 | 平成27年7月20日 | |
ISBN | 9784764601239 | |
ページ数 | 352頁 |
「水府の学」「水戸学」の今日的意味を問う
第一部「他藩士と水戸」では、水戸にやってきた高山彦九郎が果たした影響、吉田松陰が学び得た水戸の学問、天狗・諸生の争乱とこれに参加した越惣太郎の役割、小宮山楓軒による諸藩と水戸藩との治政を比較した名観察等を紹介。第二部「水戸藩至難の運命とその超克」は、水戸藩学中興を担った藤田幽谷の人柄、その子・藤田東湖の一面を紹介するとともに、水戸藩是「尊王敬幕」をめぐる苦悩と混迷の実態を回顧し、それを超克した例として根本正を紹介する。
パンフレット(PDF)
目次
はじめに序章 遊歴の益
一 遊学
二 藤田東湖の送序
三 真木和泉守の遊学
四 吉田松陰の送序
第一部 他藩士と水戸
第一章 高山彦九郎と水戸
一 高山彦九郎との出会い
二 高山彦九郎と藤田幽谷の出会い
三 高山彦九郎の水戸訪問
四 高山彦九郎の水戸への影響
五 高山彦九郎遺書の伝播
六 史料蒐集の意義
【参考資料】
第二章 吉田松陰と水戸
はじめに―東北への旅立ち―
一 庭訓と『新論』への関心
二 同行の士江帾五郎と宮部鼎蔵
三 斎藤弥九郎・新太郎父子と永井政介・芳之助父子
四 水戸訪問
五 吉田松陰と永井政介・芳之助父子
六 水戸での感激
七 影響を与えた著書など
八 会沢正志斎:水戸藩の仏教排斥への疑問
九 師承する所あり
十 吉田松陰と藤田東湖
むすびに
【補足】『吉田松陰伝』由来記
第三章 越惣太郎と水戸
はじめに
一 荒川隆之助翁の建白運動
二 水戸藩士との親交と混迷
三 丙辰丸の盟約
四 筑波勢への加担
五 子息東里
むすびに
第四章 小宮山楓軒の陸奥紀行―「浴陸奥温泉記」を中心に―
はじめに
一 出立とその行程
二 城下町
三 水戸藩との比較評価
四 寺西重次郎封元
むすびに
第二部 水戸藩至難の運命とその超克
第五章 藤田幽谷の人柄―「幽谷遺談」ほかに見る―
一 藤田幽谷・東湖顕彰碑
二 藤田東湖の誕生(誕生は母梅子宅)
三 幼少のころ
四 青少年のころ
五 孝心豊かなり
六 深い学問、友人小宮山楓軒も感服
七 人の美を成す
八 威・義両公に基づき
九 逸民集抄
十 会沢正志斎の「幽谷藤田先生墓誌銘」
十一 東湖の父幽谷観
第六章 藤田東湖と瓢兮歌
はじめに
一 東湖の愛飲模様
二 酒に対す
三 浅利徳操と東湖の禁酒
四 東湖の酒絶賛
むすびに
第七章 幕末水戸藩の混迷と領民
はじめに
一 井伊直弼と溜間詰大名
二 弘化甲辰の国難
三 安政の大獄
四 桜田門外の変
【付記】根本正所蔵の「桜田門外の変図」考
第八章 水戸藩至難の運命「尊王敬幕」「尊王攘夷」
一 尊王
二 攘夷と開国
第九章 水戸藩混迷の超克―根本正の出現―
一 天狗争乱を超えねば
二 豊田天功・小太郎父子
三 根本正の豊田小太郎先生六十年追悼記念祭
四 根本正、東京へ出立
五 米国への留学とその成果
六 混迷の超克―新たなる世界観―
終章 独立自存―攘夷は独立自存の道―
一 橋本景岳の日露同盟論
二 吉田松陰の外交策
三 勝海舟の説
四 独立自存の構想
あとがき
初出一覧
著者略歴
仲田昭一(なかた しょういち)昭和18年10月 茨城県芳野村(現・那珂市)生まれ
昭和41年3月 茨城大学文理学部文学科卒業
昭和41年4月 茨城県立高等学校教諭
昭和62年4月 茨城県立歴史館主任研究員
平成5年4月 茨城県立歴史館学芸第二室長
平成7年4月 茨城県立太田第一高等学校教頭
平成11年4月 茨城県立水戸第一高等学校教頭
平成13年4月 茨城県立日立第二高等学校校長
平成16年3月 定年退職
平成17年4月 茨城県那珂市歴史民俗資料館長(嘱託)
主な役職 水戸史学会理事
根本正顕彰会理事・事務局長