北方領土探検史の新研究
―その水戸藩との関はり―
著者 | 吉澤義一著 | |
定価 | 3740円(10%税込) | |
本体 | 3400円(税別) | |
判型 | B6判 | |
体裁 | 上製本・カバー装 | |
発行日 | 平成15年7月20日 | |
ISBN | 9784764602632 | |
ページ数 | 249頁 |
間宮林蔵、木村謙次、松浦武四郎の水戸藩とのつながりを考究し江戸(幕末)の日露交渉の真相に迫る!
個々の探険家の研究を総合比較してその相互関連を明らかにし、それらを政治的に運用結合させた幕末という時代の政治力学を闡明する。従来の学界の欠陥を埋める!単に一地方の北方探検史の解明に止まらず、広く我が国の歴史全体を見通した上で頗る今日的問題であることに思いを致し、その解決策を見出そうとする。
目次
まへがき第一編 水戸藩と北方問題
第一章 木村謙次―そのプロフィール―
第二章 木村謙次の蝦夷地探検―特に寛政五年の探検を中心に―
はじめに
一 謙次の生ひ立ち
二 天明五年東北旅行
三 『足民論』と彦九郎の来訪
四 寛政五年蝦夷地探検
五 探検の意義
をはりに
第三章 幕末の日露交渉と『北島志』の編纂―水戸藩における北方領土研究の意義―
はじめに
一 『大日本史』諸蕃伝と快風丸の蝦夷地探検
二 木村謙次と間宮林蔵の蝦夷地探検
三 徳川斉昭(烈公)の蝦夷地経営策
四 『北島志』編纂の動機・目的
五 編纂者豊田天功
六 『北島志』編纂の経過
七 『北島志』編纂の意義
をはりに
第四章 間宮林蔵と水戸藩
はじめに
一 ロシアの南下と江戸幕府の対応
二 林蔵と水戸藩の接点
三 林蔵とカラフト探検
四 大津浜事件と林蔵
五 シーボルト事件と林蔵
六 徳川斉昭(烈公)の蝦夷地経略と林蔵
七 豊田天功『北島志』と林蔵の探検
をはりに
第五章 松浦武四郎と水戸藩
はじめに
一 武四郎の略歴と北方探検
二 水戸藩との接点
三 水戸藩士との同志的交遊
四 武四郎と長島尉信と木村謙次
五 『新葉集』の再刻
六 ベルリ・プチャーチンの来航と武四郎
七 国事への関心
第二編 史料翻刻と紹介
一 松浦武四郎『北邊危言』―安政年間蝦夷地秘史―
二 木村謙次直筆『古農至孝餘慶記』
三 木村謙次と『海防下策』
第三編 研究余滴
一 甲辰の国難と外圧(講演録)
二 サハリン州郷土博物館に「間宮林蔵展」を開催して
解題・・・・・・・・・・梶山孝夫
あとがき・・・・・・・吉澤さだ子
著者略歴
吉沢義一[ヨシザワギイチ]昭和28年茨城県水府村生まれ。
茨城大学卒業後、県内の小中学校に勤務。
この間、筑波大学内地留学をへて、平成2年からは茨城県立歴史館及び教育財団に勤務。
水戸史学会理事。
平成13年9月逝去