『大日本史』本紀の『日本書紀』研究
著者 | 堀井純二著 | |
定価 | 21450円(10%税込) | |
本体 | 19500円(税別) | |
判型 | A5判 | |
体裁 | 上製本・函入 | |
発行日 | 平成30年1月25日 | |
ISBN | 9784764601345 | |
ページ数 | 984頁 |
『大日本史』本紀が『日本書紀』の各天皇紀を如何に記述しているかを詳細に検討
『大日本史』本紀を検討するに、いづれの「本紀」も、『日本書紀』に基づき適切に要約した記述が多く、妥当な記述と見られる。しかし「本紀」は盲目的に『日本書紀』に従うのでは無く、他に検討する史料が存する場合は、それを活用して、記述するという科学的実証の労を惜しまない。その場合に於いても独断に由る結論を記すことなく、後世の判断に委ねるという姿勢が多く見られる。時には誤解から来る記述や、今日からすれば過ちと考えられる記述も散見される。それらは史学研究の初期、出発時である江戸時代前期の学問到達度からすれば止むを得ないことであった。「本紀」は当時の学問水準からして最高の水準を維持した研究であり、今日からみても妥当な正しい判断をし、記述をしている場合が多い。今日の研究に於いて、『大日本史』は過去のものとして顧みられることが少ないが、『日本書紀』の研究に際しては、改めて『大日本史』を見直す必要がある。パンフレット(PDF)
目次
第一部 研究篇第一章 神武天皇本紀
第二章 綏靖天皇本紀より開化天皇本紀
第三章 崇神天皇本紀
第四章 垂仁天皇本紀
第五章 景行・成務天皇本紀
第六章 仲哀・応神天皇本紀
第七章 仁徳天皇本紀
第八章 履中・反正・允恭天皇本紀
第九章 安康・雄略天皇本紀
第十章 清寧天皇本紀以下武烈天皇本紀
第十一章 継体・安閑・宣化天皇本紀
第十二章 欽明天皇本紀
第十三章 敏達・用明・崇峻天皇本紀
第十四章 推古天皇本紀
第十五章 舒明・皇極天皇本紀
第十六章 孝徳天皇本紀
第十七章 斉明天皇本紀
第十八章 天智天皇本紀
第十九章 天皇大友本紀
第二十章 天武天皇本紀
第二十一章 持統天皇本紀
補遺『日本書紀』持統天皇紀と『大日本史』持統天皇本紀の比較
結語
附論一 水戸学に於ける神武天皇敬仰とその影響
附論二 神功皇后・飯豊青皇女即位考
附論三 孝徳天皇朝の宮都を検証し日本紀の天皇評に及ぶ
第二部 資料篇
第一章 各天皇本紀の記述
第二章 各天皇紀と天皇本紀の比較表
第三章 『大日本史』本紀の参考文献
あとがき
初出一覧
索引
詳細目次(PDF)
著者略歴
堀井純二〔ほりい じゅんじ〕昭和23年2月奈良県橿原市に生まれる
昭和45年3月皇學館大学文学部国史学科卒業
昭和47年3月皇學館大学大学院文学研究科修士課程修了(国史学専攻)
昭和46年9月より報徳学園高校勤務
平成8年4月より日本文化大學勤務、現在教授
主要著書
『日本政治思想史』(日本文化大學)、『日本消滅』(錦正社)、『日本の復活』(兵庫県教師会)、『建武の中興―理想に殉じた人々―』(錦正社)、『訳註報徳外記』(錦正社)、『欧米の世界支配と現代』(錦正社)その他 論文多数