陸軍航空の形成
―軍事組織と新技術の受容―
著者 | 松原治吉郎著 | |
定価 | 5940円(10%税込) | |
本体 | 5400円(税別) | |
判型 | A5判 | |
体裁 | 上製本・カバー装 | |
発行日 | 令和5年3月31日 | |
ISBN | 9784764603554 | |
ページ数 | 432頁 |
陸軍航空の草創期を本格的かつ系統的に明らかにした実証研究
2024年度 国際安全保障学会最優秀出版奨励賞(佐伯喜一賞)受賞「陸軍航空の形成期を鮮やかに浮かび上がらせている。近代日本の軍事史に対する重要な貢献であるとともに、防衛力のあり方を考える上で示唆に富む一冊だ。」――北岡伸一(東京大学名誉教授)
第一次世界大戦後、兵器や戦術が急速に近代化する中で、帝国陸軍はただ拱手傍観していただけだったのだろうか? 著者の主張は否である。
帝国陸軍は、飛行機が将来の戦争においてゲームチェンジャーになると明確に認識していた。―将来の戦争形態が抜本的に変化した―この危機感により、陸軍は大戦の教訓を貪欲に吸収するとともに、国際政治の潮流も利用しつつ、日本の国情にあった防衛力としての航空戦力の整備に努めた。
本書では、海軍航空に比してあまり知られることのない陸軍航空の建設過程を、欧米諸国との比較も織り交ぜながら明らかにする。また、それを通じ、新たな軍事的手段が登場した際の軍事組織の対応と、防衛力のあり方に関する理解を深めることも目的とする。
今日的なインプリケーションも多く含む、近代日本の軍事史研究に必読の書。
パンフレット(PDF)
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目次
はじめに凡例
序章
第一章 初期陸軍航空の実情と課題
第二章 第一次世界大戦、シベリア出兵と陸軍航空
第三章 陸軍航空発展の契機
第四章 陸軍航空の近代化
第五章 陸軍航空の独立と外部資源活用の模索
終章 帝国陸軍の航空建設期における課題と対応の分析
付録
あとがき
索引
詳細目次(PDF)
著者略歴
防衛省防衛研究所企画部企画調整課。1976年生まれ。東京大学経済学部卒業、タフツ大学フレッチャー法律外交大学院修士課程終了、政策研究大学院大学博士課程(安全保障・国際問題プログラム)修了。博士(国際関係論)。
2000年防衛庁(当時)に入庁後、防衛政策局防衛政策課、運用企画局国際協力課、財務省国際局調査課、防衛省人事教育局人事計画・補任課、防衛装備庁法務室などを経て現職。
主要業績:「帝国陸軍による民間航空の育成とその限界」(『軍事史学』第58巻第1号、2022年6月)、「シベリア出兵と帝国陸軍の近代化―航空兵力の建設を中心として―」(『安全保障戦略研究』第3巻第1号、2023年2月)、(共訳)アザー・ガット著、歴史と戦争研究会訳『文明と戦争―人類二百万年の興亡―(下)』(中央公論新社、2022年10月)など。