PKOの史的検証
著者 | 軍事史学会編 | |
定価 | 4400円(10%税込) | |
本体 | 4000円(税別) | |
判型 | A5判 | |
体裁 | 並製本・カバー装 | |
発行日 | 平成19年3月1日 | |
ISBN | 9784764603219 | |
ページ数 | 372頁 |
PKO(平和維持活動)を歴史的に検証
紛争の平和的解決、停戦の監視、秩序の維持、ポスト・コンフリクトの再建過程における武装解除と治安維持、インフラの整備、復興援助など、60 年の歴史を有し世界各地で現在進行中のPKO(平和維持活動)を歴史的に検証する。平和維持活動(PKO)は1948 年の「国連休戦監視機構」(UNTSO)のパレスチナ展開以来、約60 年の「歴史」を有する。日本のPKO参加も1992 年の国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)以来、16 年目に入った。
歴史研究と現代の課題が交叉するPKOの本質に新進気鋭の研究者による学術研究と、自衛隊PKO経験者による「実践知」の双方向から迫る画期的論集。
軍事史研究者はもとより国際政治、国際法、国際機構の研究者および実務家の必読の書。
目次
序 | |
高橋久志 | PKO―歴史研究の「新領域」― |
巻頭言 | |
五百旗頭眞 | PKOの史的検証 |
明石康 | 『PKOの史的検証』刊行によせて |
西元徹也 | PKO十五年に思う ―今後の国際平和協力活動のために克服すべき課題について― |
特別寄稿 | |
サー・マラック・グールディング (等松春夫訳) | 冷戦終結前後の国連平和維持活動の展開 ―私的な回想― |
第一篇 国際政治とPKO | |
臼杵英一 | PKOの起源:國際聯盟レティシア委員会 (一九三三~三四年) |
小川浩之 | イギリス・コモンウェルス関係とPKOの成立と変容 ―パレスティナ・カシミールからコソボ・東ティモールまで― |
〈研究ノート〉 三須拓也 | コンゴ国連軍の影 ―ハマーショルドの死因についての一仮説― |
〈PKO経験者の証言①〉 須田道夫 | 現代 国連PKOの設立・運営をめぐる政治力学 ―ハイチPKO(MINUSTAH)を一例に― |
第二篇 日本とPKO | |
入江寿大 | 池田・佐藤政権期の「国際的平和維持活動」参加問題 ―コンゴー動乱・マレイシア紛争と自衛隊派遣の検討― |
村上友章 | カンボジアPKOと日本 ―「平和の定着」政策の原型― |
〈PKO経験者の証言②〉 渡邊隆 | 現場の誇り ―UNTAC派遣自衛隊指揮官の回想― |
〈PKO経験者の証言③〉 太田清彦 | カンボジアPKOと広報活動 |
〈PKO経験者の証言④〉 小嶋信義 | 防衛駐在官からみた中東と自衛隊 |
第三篇 理論と法 | |
青井千由紀 | 平和の維持から支援へ ―ドクトリンから見た平和支援活動の生成と制度化― |
〈PKO経験者の証言⑤〉 児島健介 | 海上自衛隊が参加した国際平和協力の法解釈 |
幡新大実 | 平和維持軍と国際刑事法 ―連合王国陸軍軍法会議の事例を踏まえた比較法的考察― |
山田哲也 | PKOの任務拡大と正統性確保 ―領域管理を題材とした問題提起― |
第四篇 現在から未来へ | |
斎藤直樹 | 冷戦後における国連平和維持活動の変容とその改革問題 |
〈PKO経験者の証言⑥〉 佐藤正久 | ゴラン高原からイラクへ ―一自衛隊指揮官の中東経験― |
〈PKO経験者の証言⑦〉 川又弘道 | 東ティモールにおける自衛隊の活動 |
井上実佳 | ソマリア紛争における国連の紛争対応の「教訓」 |