第二次世界大戦(三)
―終戦―
著者 | 軍事史学会編 | |
定価 | 4806円(10%税込) | |
本体 | 4369円(税別) | |
判型 | A5判 | |
体裁 | 並製本・カバー装 | |
発行日 | 平成7年9月7日 | |
ISBN | 9784764603066 | |
ページ数 | 460頁 |
第二次世界大戦終末の諸相を斬新な視角で問い直す
内外の第一線執筆者陣による第二次世界大戦終戦50周年記念出版!軍事史学会会長 伊藤隆
第二次世界大戦終戦五十周年にあたる本年、軍事史学会は創設三十周年を迎えた。この記念すべき年に、『第二次世界大戦(三)-終戦』を刊行する運びとなったことは、誠に慶賀の至りである。本書は、『軍事史学』通巻100号の刊行と第二次世界大戦開戦五十年を記念して編まれた『第二次世界大戦(一)-発生と拡大-』(1990年)と、日米開戦五十周年記念号となった『第二次世界大戦(二)-真珠湾前後-』に連なる「第二次世界大戦三部作」の完結編を成す。外国人研究者三名を含む、各世代を代表する二十数名の研究者から寄せられた論稿は、いずれも秀作、力作であり、必ずや読者の期待に沿え得るものと確信する。
また本書には、軍事史学会平成七年度大会で瀬島龍三、阪谷芳直両氏の公演録も収録されている。周知のごとく、瀬島氏は、戦時中、大本営参謀として作戦課に勤務されたほか、終戦直後にはシベリア抑留を十一年間、体験されている。阪谷氏は海軍主計中尉として海軍省で海上輸送業務に従事された。両氏の貴重な体験に基づいた説得力あふれる語り口は、読者に大いなる感動を与えてくれるに違いない。
本書が既刊の二冊に続いて今後の第二次世界大戦研究の礎石となり、新たな段階へのステップになることを期待したい。
目次
《序》伊藤隆『第二次世界大戦(三)-終戦-』の刊行に当たって
《巻頭言》
臼井勝美/「佐藤尚武」のこと
《提言》
義井博/100周年にそなえ日露戦争史の共同研究を
《第一篇 終戦の諸相》
秦郁彦/戦争終末構想の再検討-日米の視点から-
野村実/終戦時の日本海軍の戦訓調査
波多野澄雄/鈴木貫大郎の終戦指導
A・D・クックス(高橋久志訳)/昭和天皇と戦争責任
荒川憲一/軍部の戦争経済観、その予測と実際-戦争経済の崩壊を齋したもの-
《第二篇 戦争の終末》
中尾裕次/大東亜戦争における防勢転移遅延の要因
原剛/沖縄戦における県民の県外疎開
中山隆志/樺太・千島の防衛戦とソ連の北海道占領計画
〈史料紹介〉三木秀雄/米軍の対日本土侵攻作戦計画 ダウンフォール、オリンピック、コロネット作戦計画の概要
《第三篇 アジア・太平洋地域と終戦》
明石陽至/太平洋戦争末期における日本軍部の延安政権との和平模索-その背景-
李盛煥/太平洋戦争と朝鮮
太田弘毅/インドネシア独立許容公約と海軍軍政地域-終戦前夜の動きを中心に-
立川京一/フランスが帰ってくる-インドシナの1945年-
根無喜一/英印軍の終戦-英帝国解体の一側面-
等松春夫/南洋群島をめぐる戦後構想-1942~1947年-
《第四篇 ヨーロッパと終戦》
イアン・ニッシュ(相澤淳訳)/アジア・大平洋戦争の終結とイギリス
大木毅/「藤村工作」の起源に関する若干の考察
平間洋一/ドイツの敗戦と日独海軍
《第五篇 復員と占領》
春川由美子・/復員省と占領政策
柴田紳一/日本側戦犯自主裁判構想の顛末
〈戦史史話〉斎藤五郎/「禁衛府」創設および廃止の経緯
〈戦史史話〉千田武志/英連邦占領軍の進駐
〈戦史史話〉狩野信行/占領下日本の自衛力建設
《第六篇 終戦史話》
瀬島龍三/体験から見た大東亜戦争
阪谷芳直/私の体験した敗戦と戦後
小野寺百合子/一九四五年春のストックホルム
『軍事史学』総目次(101~122号)